5月なのに、今にも雨が降りそうな曇り空で心配だったのだけれど、ビール3本飲んでいい気分になっていたら雨は降らなかった。
歌に心を揺さぶられることは多々あっても、演奏だけに対してアドレナリンが放出されることがあるのか、正直心配な部分はあったのだけれど、それは杞憂だった。
立見席で踊り狂っている人達を見て、ああ良い時間だなぁ、と思ったのはたぶん僕だけではなかったと思う。
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ということで前回の続き。
もはやこれまでのレコード会社のビジネスモデルは8割方崩壊しているはずで、残された時間は本当にわずかなはずだろうということ。
この事実は当たり前のようにどのレコード会社も認識している。
実際に明確なアクションを起こしているレコード会社もある。
例えばエイベックスはドコモと組んで「BeeTV」を始めた。
いまさらながら「TV」と名乗っちゃうあたりや、最初からユーザ課金モデルを採用してしまうあたりが、敢えて「インターネットモデル」に逆らったのだとしても、いかにもNTT(テレコムモデル=電話モデル)っぽいし、どう考えても流行るとは思えないのだが、アクションを起こそうとしているのはわかる。
「BeeTV」を運営するエイベックス通信放送の社長のインタビューを見ると、「優れた出演者や制作関係者らが集められれば、クオリティーの高い作品が作れる」という、未だに前近代的なプロダクトアウト的発想をしているのがとても気にかかるけれど、少なくともエイベックスという会社は、これまでのレコード会社のビジネスモデルが崩壊しつつあることは認識していて、リスクを取ってでも新しいビジネスモデル構築に進んでいかなければならない、と考えているのだろう。
ただ他のレコード会社はどうなんだろう、と。
海の向こうでは、Warnerが360契約をアーティストに義務化、なんていう動きもあるようだが、日本でそういう話は聞かない(あるいは僕が知らないだけかもしれないが)。
少なくとも日本のアーティストは、@レコード会社(原盤制作会社)、Aプロダクション、B音楽出版社、と様々な利害関係者の中に立たされ、時には反抗しながらも、なんだかんだ上手くやってきました、というのがこれまでの音楽業界だったのだろうけど、例えばレディオヘッドが実験的な試みをしたりするのを横目にみながら、「自分達だってできるんじゃないか」と考えるアーティストが増えていくことは間違いない事実だろう。
アーティスト達の想いが仮に「自分達の音楽を聴いてもらいたい」というものであれば、itunesで無料配信すれば良い。「でもちょっとお金もほしいな」と思えば、次に出す新曲は200円で配信すれば良い。プロモーションをしたければyoutubeでやればいい。
別にCDを作らなくていい環境になったのだ。
電車の中で音楽を聴いている人のハードウェアは、i-podや携帯電話だ。残念ながらポータブルCDプレーヤーではない。
これまでの音楽業界のビジネスモデルは、「CDを売る」ことで投資を回収するモデルだった。
しかし残念なことに、テクノロジーの進化が、CDを無力化してしまった。
これまでCDという記録媒体を通じて配布するしかなかった「録音された音楽」は、今となってはネットワークを通じていくらでも配布できる。
となるとレコード会社はどうすればよいのだろう。
新たなビジネスモデルをどう策定すればよいのだろう。
方向性としては、@M&A等を通じてバイイングパワーを強める、ACD以外で儲ける方法を真面目に考える(「録音された音楽」はプロモーションツールと割り切る)、という2つがあると思う。
@は、これまでレコード会社・プロダクション・音楽出版社と分かれていたものを統合して、アーティストに対するバイイングパワーを強める、というものだ。
「CDを作って世の中に送り出そうと思ったら、A社かB社のどちらかと取引しなければならない」という状況を作り上げれば、数多いるアーティスト側が弱くならざるを得ず、これまで同様に引き続きアーティストの収益を(良い意味でも悪い意味でも)搾取することが可能だ。
360契約などは、まさにこの典型例である。
ただしこの方法も、itunes・youtube・facebookというプラットフォーム群が、音楽業界とは従来関係のない企業に独占されてしまったがために、破綻する余地は大きい。
アーティストが「俺はCD作らない、itunesで配信する」といった場合には、レコード会社も、プロダクションも、音楽出版社もいらないのだ。
Aは、発想を転換して、「じゃあ、アーティスト達よ、勝手に音楽作って、itunesで配信すればいいじゃん。でもやっぱり収益を上げられなくて困ったら相談してね」というものだ。
つまりレコード会社(プロダクションも音楽出版社も同様)は、儲ける方法を真面目に考えるコンサルティングビジネスに徹する。
これまでは彼らがアーティストにお金を払っていたが、その全く逆で、アーティストからコンサルティング料をもらう。
この方法であれば在庫リスクもない。CDが売れなくても問題ない。
これまで築いた人脈も無駄にならない。
とここまで書き連ねたことを、レコード会社(プロダクションも音楽出版社も同様)が完全に理解している上で、「金のなる木(cash cow)」が枯れるまでは、敢えてすがりつこうとしているのであれば、リスキーな選択だとは思うけれども、理解できなくはない。
2011年までは悪あがきしようとしているのかもしれないのだ。
とにもかくにも、SPECIAL OTHERSのライブを観て、レコード会社がなくなっても、音楽がなくなるわけではない、と痛感した5月の曇り空の日比谷公園。
いろんなビジネスチャンスがありそう。







